第5回防衛講座

平成23年11月27日(日) 於:奈良県文化会館小ホール

11月27日(日)奈良県文化会館小ホールにおいて、講師に奈良県の防衛警備担任部隊である第7施設群長の米津浩幸1等陸佐を迎え第5回防衛講座を開催し、一般市民、奈良市消防関係者や各種団体関係者など250名が熱心に聴講した。

演題「災害発生時における自衛隊の活動について」

講師の紹介を受ける米津第7施設群長

 

米津群長が担当中隊長紹介 右:松実中隊長 左:伊澤中隊長

米津群長は、最初に奈良県の各種有事の際の防衛警備担任部隊であることや直接担当する380施設中隊長松実1等陸尉と381施設中隊長伊澤1等陸尉を紹介した。両中隊長は何れも十津川村出身でこの度の奈良県南部災害に派遣され、またハイチPKOや東日本大震災にも出動した。松実中隊長は、寸断された道路を克服し十津川村に到着したときに村民から拍手で迎えられた。改めて身の引き締まる思いがした。我々の任務活動は県民、住民の方々の激励が励みになる。また、伊澤中隊長は我々が迷彩服でお会いする時がないようにと思う。と話した。 米津群長は前段に台風12号の災害派遣活動について写真やデーターで時系列に説明された。特に、道路が寸断され部隊の進出が困難で天候が悪くヘリの運用も難しく歯がゆい思いをした。孤立集落には水、食料、燃料などを隊員が山中を背負って届けた。部隊の災害派遣に対する合言葉「すべては被災地・被災者のために」として着意事項は「状況に応じた迅速な行動、自治体・警察・消防との綿密な連携、二次災害防止」を挙げたこと、部隊の撤収時十津川村と五条市の見送り式では子供たちが自衛隊の活動に対する作文を披露してくれ消防関係者や住民の方々が「自衛隊さんありがとう」の横断幕で送られ隊員は皆、感動した。など派遣活動の41日間を振り返った。

防衛講座の様子1

 

防衛講座の様子2

後段は、岩手県大槌町や釜石市への東日本大震災派遣中、被害の大きさに驚愕したこと、早朝から日没までの捜索活動等のなかで若い隊員の命への敬意を表す姿に感動したこと、隊員の疲労など身体は回復するがストレスの回復には期間が必要等派遣活動88日間を話した。最後に、自衛隊の究極は国防ですがいつでもどんな任務にも対応できる実力を蓄えられるよう日々活動したい。 市民の聴講者は、「報道でしか知らなかった災害派遣中の隊員の方々の活動の内容がよくわかった。被災地の皆さんへの隊員の優しい気持ちなどをお聞きして感激した。奈良県が被災したときのために備えてくれていることを知り心強く思う」などと感想を聞かせてくれた。 筒井奈良支部長は、自衛隊の皆さんにとって特に本年は大変な任務を全うされました。国民は「ありがとう」と「感謝」の気持ちで自衛隊の皆さんを激励、支援しなければならない。と謝辞を述べた。講演会の様子は、奈良新聞により広く県民の方へ紹介された。

謝辞を述べる 筒井寛昭防衛協会奈良支部長